中国のアイドルのコンサートを見るために、ビザ必須の中国にビザなし入国チャレンジした話

イカれたオタクの記録その③中国編、最終章です!!
いや、本来②で終わりの予定で③を書くつもりはなかったんですけどね…なぜか中国編も爆誕してしまった………

これまでの話を読んでない方は「その①タイ編」から読んでネ。②の日本編は読んでも読まなくてもいいです。

 

〜読むのめんどい人へこれまでのあらすじ〜

2021年、急に2年間限定で活動する中国アイドル「INTO1」にハマったアラサーオタク。しかし時はコロナ禍。コンサートが一度も開催されないまま解散間近となった2023年に、とうとうタイと中国でコンサート、日本でファンミーティングが開催されることとなった。最初で最後の彼らに会えるチャンスだが、中国はコロナの影響でビザがないと入国できない。日本のファンミは当然参加するとして、コンサートがどうしても見たかったオタクは迷うことなくタイへと飛んだ…!

〜あらすじ終わり〜

 

てなわけで、4/1&2タイのコンサート2日間、4/7日本のファンミ2回、そして日本のサイン会、と自分が持ちうる時間と運と金を全て注ぎ込んで、可能な限り最初で最後のINTO1のオタ活をやりきったわたしことオタク。

タイのあとに中国の本当のラスト解散コンサートin中国も行きてえ!!!となりビザ取得について調べたが、申請が難しすぎる上に時間がかかってコンサートに間に合わないらしくて泣く泣く諦めた。中国という国家相手ではどうしようもないので……

しかし日本ファンミで嗚咽を漏らしながら号泣したせいか、終わったあとは謎に心もスッキリしていたし、INTO1への未練は不思議なくらいなくなっていた。もう自分がやれることは全部やったんだという気持ちが強かった。オタクやってて初めての感情っすね。


そして相変わらずINTO1の運営はイカれているので最後の中国コンサートの日程や詳細はいつまで経っても発表されなかった。

ちなみにタイに行った4/1の時点で、中国のオタクに「コンサートは4/21だから行くなら今のうちに宿を取っておいたほうがいいよ!」とアドバイスを受けていた。公式発表より先に何故かオタクたちが日程を把握している狂った世界。


まぁでも発表されたとて自分は行けないし関係ないからなぁ…とぼんやり情報を追っていたある日。

中国やINTO1の情報を発信されてるYouTuberのレイレイさんのツイートが飛び込んできた。


な、なんやて……!?トランジット……!?

つまり別の国への乗り継ぎですよ〜〜というふりをすれば中国に入国できるらしいし144時間も滞在できる(なげぇ!!)らしいんだが……そんな裏技、許されるんか……!?

てかビザ取るのも一応調べたらめっっちゃくちゃ難しくて時間かかるのに、別の国に行くふり(まぁふりだけじゃなくて実際行くわけだが)をすれば入国できる上に144時間も滞在できるの、ルールガバガバすぎない??中国、おもしれぇ国…………


この情報が出たことで、にわかに中国行きを諦めていた日本人のオタクたちがざわつき出した。


そしてそんなトランジットの話が突如出現した翌日4/13。

とうとうコンサートの日程が発表された。日時は中国のオタクが言っていたとおりの4/21&22。約一週間後である。そんなギリギリなことある????ちなみに会場は一万人が入るアリーナです。いや絶対もっと前から会場抑えてるよね??イカれてるわ。

更に例によってチケットは発表当日から申し込み開始、翌日当選発表というとんでもスピード感。ほんとすごい。この当選発表までの速さだけはジャニーズなどにも見習ってほしいところ。

そしてこれも何故か公演内容がオタクに流出しており、2日目はメンバーが女子アイドルのダンスをするという情報が流れてきた。見たい、見たすぎる。全オタクが好きなものそれ即ち推しの男が踊る女子ダンス……。


とりあえず、何も考えずに申し込んでみた。申し込むのはタダなので。

ま、今まで全部当たってるし、当たらんやろな…当たらんやろ……と、正直当たりたい気持ちと当たりたくない気持ちが謎に半々の状態だった。そりゃ見られるなら見たいけど、本当に行けるか分からないし……という気持ちでオタクは混乱していた。


のだが、
また当たってしまった。


自分マジ生まれてこの方チケ運あったことがないんですけど、INTO1のチケ運が異常に良すぎる。

とにもかくにも、当たってしまった以上これは行けってことだよな!!!刘宇ちゃんが呼んでる!!!と当然即支払った。てか日本の30秒3万のサイン会とか行ったあとで最早料金とか全然見てなかったけど、1階席が4万くらいでした。相変わらずたけぇ。


そしてこうなったからには次はトランジットの情報収集や!!!と色々調べまくる………が、当然こんな訳わからんやり方で入国した人が少なすぎて情報が全くない。概要を発信してる人はちらほらいるものの、実際にトランジットチャレンジ成功した人の報告がなさすぎて不安しかねえ。そもそもコロナ後にビザが復活してからまだ1ヶ月しか経ってないし、検索してもコロナ前の話が出てくるので頭を抱えた。

情報がなさすぎるので、乗り継ぎ先は同じ航空会社じゃないと駄目とか、分割予約だと駄目とか(←これはいまだに意味分かってない)いろんな情報が入り乱れており混乱を極めた。

入国できなかったら本当に無理すぎるし、何より不法入国の疑いで拘束されたら「男が踊る女子ダンスが見たくて中国に不法入国して拘束された日本人」になってしまうので無理とかいうレベルではない。国際問題や。人生がかかっている話なので、調べれば調べるほど精神が削られていった。


正直日本のファンミのあとにすごい達成感あって満足していたし、このとき更に中国にそこまでしてどうしても行きたかったかと言われると自分でもよく分からない。
しかし行けるかも知れないのに行かないのはやりきってないことになってしまうので行くしかない、という謎理論に脳を支配されていたので、睡眠時間を削って調査を続けた。なにせコンサートまで1週間しかないのである。もはやここまで来るとINTO1を見たいというよりもこの挑戦に勝ちたい、最後にでっけぇ敵を倒して勝つ……!!みたいな気持ちになってきていた。なにこのオタ活??

しかも直前すぎるせいかフライトがバカ高くてつらすぎた。最初に検索したら片道20万とかのやつしかなくて、しんどくて現実逃避したくてその日はもう何も調べずに寝ようとしたものの、トランジットとフライトのことを考えてしまいほとんど眠れなかった。しんど。

しんどくなりながらなんとか調べた結果、東京からではなく大阪からなら半分以下の価格の安い便が出ていたので、大阪に4時間かけて前乗りしてから行くことに決めた。このときわたしは「20万の旅券を迷わず買える石油王と結婚したい」と強く思い、INTO1解散後にやることが婚活に決定しました。人は何で結婚を考えるようになるか分からない。


この頃INTO1の新しい映像などの供給が色々あったみたいだが、このトランジットと旅券の調査で忙しくて一切見ていない。正直、INTO1とか見てる場合じゃねぇんだわ(パラドックス)


そんなこんなでなんとか旅券を決定した。

カモフラの旅行先は日本からの距離も近くて安いソウル、香港、台湾のどれかにしたかったので、一応15年近く前に行ったことがあるし言葉も中国語よりは分かるのでソウルにした。てかどこでもいいって思いながら旅行先決定することとかないよな…。
行きはソウル経由などの安いフライトもあったものの、「ソウルに行くトランジットとして上海に行くのに、そこに行く途中でソウルに寄るのはあまりに不自然では…!?」という空港職員側の気持ちになって一応避けておいた。(これが実際どうなのかは分からない)
日本→上海→ソウルは一気に予約したほうが良さそうなので周遊での予約とし、ソウル→日本はなんとなく別の予約にしておいた。たぶん今思うと全部周遊での予約で大丈夫だったと思う。でもまぁ安牌をいっとくの大事。
全ての便が別の航空会社だったので若干不安ではあった。しかし結論から言うと、航空会社がどこかとかは全く問題視されず、結局とにかく大事なのは「上海についた時点で上海から別の国に行く航空券を持っていること(座席番号が記載されているもの)」一点らしい。なのでこんな大変なことやりたい人いるか知らないけどいたら参考にしてください(笑)

そして準備はまだ終わらない…。まず出発48時間前のPCR、そしてその結果を踏まえて中国のアプリで健康申告を行う。
PCRの結果やeチケットは全て印刷しておく。ちなみにeチケットもエクスペディアとかの旅行代理店で予約すると送られてこなかったり先に座席が決められなかったり、いちいち問い合わせやら何やら大変で細かく時間が削られていった。

一応韓国入国時の健康申告とかもやっておいたけど結局これは使わなかった。


そして出発の日…。

書類が足りなくて出国できない、という悪夢を見て起きた(笑)確実に精神が削られている。あと睡眠時間はなんならタイ公演の4/1からずっと削られている。

なんかもう絶対何か忘れてる気がするが…?と不安な気持ちを抱きながら、まずは前乗りする大阪へ向かった。この1週間、まじで入国できるかどうかず〜っっと不安で、この程度のことでもこんなに不安なんだから北朝鮮脱北者ってマジ精神力すげぇ…と謎に脱北者リスペクトが止まらなかった。


そして大阪で一泊し、いよいよ決戦の日である……!!!

中国東方航空のカウンターでトランジットの旨を伝えると、にわかにスタッフの方々がザワザワし始めた。3人くらいの人が色々調べ始め、待っている間緊張が止まらん。だがしばらくすると無事チェックインが完了した。「おまたせしてすみせん」と言われたがむしろ謝るのはこんなわけわからん方法で入国しようとしているオタクの方です。
とにもかくにもまずは第一関門クリアである。

大阪からなのでフライト時間は2時間半くらいだった。こんなに近いのに、こんなに行くのが大変な国って………。


上海空港に到着後、144Transitと書かれているほうを目指して歩く。めちゃくちゃ端っこのほうで人気のないガラーンとしたところにたどり着いた。先にいたのは同じくINTO1のコンサートにやってきたフォロワーの方ひとりだけだった。やはりこんなことまでして入国しようとする輩はウチらイカレオタクしかおらん……

なんか渡された紙を記入し、そのまま入国ゲートへ。
先にフォロワーの方が入国したので、おめでとうございます!と言って送り出した。ちなみにこのフォロワさん一回トランジットチャレンジ失敗したらしくて急遽この便に変更したのでマジで無事入国できてよかっです……。

次は自分の番である。色々持ってきた書類を全て確認され、途中でふたりおっちゃんがやってきてなんかヤイヤイ言ってる(ように見えた)ので緊張したものの、思っていたより簡単に入国の手続きは完了した。文章で書くと簡単だが、めちゃくちゃ緊張した………。

もうね、これで正直今回の旅のピークは終了ですわ。悪いけど一番のイベントはコンサートじゃねえ、入国。


まぁまだ出国まで気は抜けないが…と思いつつ、その後は中国に住む友達と合流するためにホテルへ向かう。

ホテルに向かうタクシーで運転手のおっちゃんがタバコを勧めてきたり急にドウイン撮って勝手に載せだしたり、早速自由な中国人ムーブを感じまくった(笑)こっちは一切中国語わからんのにずっと中国語で話しかけてきてすごい。ただ「ピャオリャン!(綺麗)」て言われたときだけ「謝謝〜」て返したので、中国語わからねえくせにキレイって言われたときだけわかるやんけ、て思われた可能性はある(笑)ピャオリャン(綺麗)、クーアイ(可愛い)、シュアイ(かっこいい)はオタクやってたら自然に覚えられるんよ。


上海の観光地を適当に散策したあと、会場へ。

席はまたもややたら良く、サブステ3列目だった。が、結構ギリギリに会場入りしたところ知らんやつがわたしの席に座っていた。普通に座席間違いかと思ってそこわたしの席ですって言ったら「マスターなので椅子を半分シェアさせて!」て言われて「そんなんアリかよ!?!」ってなったけど、まぁいいか…と途中までふたりで一席に座っていた。意味がわからん。わたしが巨漢だったらどうするつもりだったんだこの人。てか運営も何も言わなくてすごい。
意外なことに、コンサート中客はみんな座ったままだった。さすがにずっと一席にふたりで座り続けるのがしんどかったからなのか何なのか知らんが、マスターは途中でいなくなった。なんかINTO1のコンサート、毎回意味わからんことあるのすごくね?


そんな感じでまたあんまり集中できないまま始まったINTO1ラストコンサート。

f:id:poseidonparty:20230429003347j:image

尻がギュウギュウだったせいか、はたまた日本公演で涙は出尽くしていたせいか、必要以上に感傷的になることもなく、曲が多めのコンサートだったのでしっかり曲を楽しめた。タイではめちゃくちゃすぎてよく見えなかった一番好きな曲「点睛」もちゃんと見ることができたのでとても良かった。


そして念願の女子ダンス…!!

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

解散やめろ(@into1_kaisan_yamero)がシェアした投稿

かわいい系メンバーが集まってかわいい女子ダンスをやる天才演目で気がおかしくなった。

これを見るために、情報を集め、書類を作り、四万のチケットと十万の旅券を用意し、拘束される恐怖に震えながらオタクは海を超えてきたんすわ………煩悩が壮大すぎる…………。


あと創造営の曲をやってくれたのがブチ上がりすぎて最高だった。動画撮ってたけど興奮しすぎて(あとうっかり自分も踊ってしまったせいで)ダントツ手ブレがやばくて動画はガタガタだった。  


そして曲の最後で刘宇ちゃんにみんながサプライズで駆け寄ってハグしたとき可愛すぎてしんどすぎてアァーーーッてキモ声出しちゃった。仲良ければ仲いいほど、解散がツライね………

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

解散やめろ(@into1_kaisan_yamero)がシェアした投稿

 

しかし最後はひとりひとり挨拶をしていなくなるという演出が嫌すぎて、中国語もわからんしあんまりちゃんと見る気がしなくてひたすら好多宇を見ていた。好多宇は今日も今日とてずっとくっついていました。この人たちこんなにくっついてるのに解散したらどうするんだマジで……

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

解散やめろ(@into1_kaisan_yamero)がシェアした投稿

 

それにしても全く中国語わからず推しが何言ってるか分からんのに上海までやってきてるの本当になんか狂いがすごい。てか2年もあったんだから少しは中国語勉強しとけよ、と思うけどもうあとの祭りですワ

最後しんみりしたところにみんなが出てきてハグして、INTO1の本当に本当のラストコンサートが終わってしまった。アンコールもなく意外と最後がさっぱりしていたので、これで解散なのかぁ、、、と実感がない……。


コンサート後友人と合流し、実感がねえなぁ〜などと言いながら眠りについた。


次の日はふつうに上海観光を楽しむことにした。
上海は銀座みたいに綺麗で、正直汚いアジアの町並みが好きな自分には少し物足りなかったけど普通に楽しかったです。何食べても美味しくて最高〜。

どうでもいいけど今回やたら口コミがいいホテルに宿泊して、「まぁ悪くないけどそんなにいいかな…?」と思ってたらチェックアウトのときにスタッフが客のスマホで勝手に星5で口コミ投稿していてクソ吹いたwwwそりゃ口コミいいはずだわ、中国人ムーブおもろすぎる。


上海観光のあとはソウルへ向かう。完全にカモフラのための消化試合旅行なのでやることもなーんも決まっていない。
出国が終わるまで中国当局に拘束されないかドキドキしたが、無事飛行機に乗ることができた。

ソウルでは15年前に泊まって小汚くてすごく気に入った街であるシンノニョンに行って昔のおもかげを探そうとしたが、街はすっかり綺麗になっていて別の街すぎて悲しかった……。15年前ってまだ日本でK-POPのCDもそんなに買えなかったし、近いけど完全に異国だったんだよなぁ。今じゃ何でも新大久保で買えるから、便利なような楽しくないような…。


完全に特にやることのなかった消化試合のソウルをあとにし、日本へ。
日付はライブから2日後の4/24である。実はこの日が正式なINTO1の解散日だった。

日本に到着するとそのラスト生配信が始まり、家に帰る電車の中でその生配信を見た。
途中で刘宇ちゃんがサンタの上に乗ってる…?てくらいくっつき始めて笑みを堪えるのが無理になり、ふと電車の窓を見たらクソ・キモ・ニチャリ顔オタクが映ってて最悪でした。
そしてAKが泣き始めたあたりでかなり心が無理になり、最後刘宇ちゃんが泣きながら解散までのカウントダウンをし始めたところでやっと解散することを脳が認識して泣いた。日付をまたいだ頃、INTO1は本当に解散してしまった。いや、本当に、解散したんか…………。



こうして2年間のINTO1のオタ活(まぁ実質一ヶ月みたいなもんだけど)が終わった。


クッッソ怒涛だったのに最後があっけなくて、この2年間、幻……???となった。なんか取り憑かれていた気すらするし、中国芸能事務所のやることは意味わからんことが多すぎて追うのがマジしんどくて、正直こんなオタ活は二度とごめんだとも思う。
しかしINTO1は本当に本当に世界平和を体現したようなアイドルで、最高の存在だった。前も書いたけど、2年という期限があったからこそ自分もここまで必死に追いかけたし、終わりがあるからこそ美しくて、そして美しいまま終わるINTO1をマジで誇りに思うよ…!!!

とりあえずオタクは余韻を噛み締めつつ、タイの前からテーブルの上でグチャグチャになっているうちわ製作したときの画用紙やらなんやらをやっと片付ける作業に入りますわ。ちなみにこの一ヶ月でINTO1に使ったお金は給料2~3ヶ月分でした!!!婚約指輪かな????INTO1とオタク、永遠を誓っていいですか??? 

こんなわけわからんオタ活って今後の人生で二度とあるのか?というくらいめちゃくちゃだったし、最高の思い出になった。一生忘れない推しです!!!


ちなみにま〜た性懲りもなくボイプラ(韓国のオーディション番組)見ちゃったけど、まじで期間限定アイドルは解散がつらいので追わないからな…追わないからな……(フラグ)


〜本当に、完〜